【−ミリディア王国・王女と聖女−:シナリオ/第5話:魂の独立】

キャラ名 セリフ・効果音など 状況・セリフの雰囲気など

ホムルス
(ho_18)

くそっ!ミツハの奴、再びセレスの信頼を取り戻してしまった。
それだけではない。反対派は我等帝国賛成派に睨(にら)みを利かせておる。 
 
チキータ
(chi_27) 
じたばたしても仕方ありません。これだけ睨みを利かされては何も出来なくなります。
……いっその事、帝国へと逐電致しましょう。 
 

ホムルス
(ho_19)

この国を捨ててか!? 貴様、正気か!?  
チキータ
(chi_28) 

命あれば挽回は出来ます。しかし、死んでしまってはどうしようもありません。

 

ホムルス
(ho_20)

馬鹿な……! この国あっての我々だぞ、ここから離れてしまえば、何の意味も無いではないか!  
チキータ
(chi_29)

それは貴公の話であろう。土地や権利に執着するだけで、他勢力へと身を寄せる不遇を託(かこ)つ事もしない。
帝国に国を売るというのは、貴様の保身の為ではないだろうな……!

 

ホムルス
(ho_21)

あぁ、いや。はははは……。  
  (場面転換)  
トーリア
(to_05) 

酷い有様ね。こんな奴らに一時期政治を握られていたと思うと、胸糞悪くなってくるわ。

 
セレス
(se_33)
…………っ。 躊躇しています。
ミツハ
(mi_38)
セレス、絶対に怯んではいけない。一瞬でカタを付けるのよ。  
セレス
(se_34) 
でも、私にはこの人達を退治する事なんて……。
私は、この人達の主だから。もしも悪い事をやっていたとしても、私はどうなるの?
……私も、倒されるの? 
 
トーリア
(to_06)
馬鹿な事を仰らないで下さい! セレス様はミリディア王国の主ですっ!
国に不利益をもたらす輩を、どうして許す事が出来ましょうか!!
 
ランジェ
(ra_04) 

用いる人が悪かったのではありません。用いるべき駒が悪かっただけのことです。

 

セレス
(se_35)

(私を、『見て』くれないのね。その言葉は私の為じゃなくて、国の為。)
(国の為ならば、私なんか居ても居なくても同じなんじゃ……。)

エコー。
ミツハ
(mi_39)
セレス。貴女がここで決断しなければ、私達はここで立ち往生よ。  

セレス
(se_36)

そんなの……、判ってる。   
ミツハ
(mi_40) 
なら、何で?   
セレス
(se_37)
わ……、私が命令を下せば良いのね?  
ミツハ
(mi_41)
ううん、そうじゃない。  
セレス
(se_38)
何でよ!私がチキータ・ホムルス討伐を宣言すれば、それで貴女達は満足なんでしょう!?
……それで、良いんでしょう?
 
ランジェ
(ra_05)
違います! 満足だなんて――  
セレス
(se_39) 
欺瞞(ぎまん)よ! 私っていう都合の良い存在を使って、貴女達の敵を消そうっていう魂胆でしょう――!?
貴女達の考えなんて、お見通し―― 
 
  (平手打ち)  
ミツハ
(mi_42) 

貴女って人は……っ! そんな風に言うのも良い加減にしてっ!!

 
セレス
(se_40)
…………。  
ミツハ
(mi_43)
……仕方ないわ。セレスの下知は待たない、私達だけで乗り込むわ。  
セレス
(se_41) 
…………っ!   
ランジェ
(ra_06) 
そんな事してっ! 私達が万が一負けたら、縛り首になるのは私達よ!?   
セレス
(se_42) 

あはは、なんだ。やっぱりそうなんじゃない。
私はこの作戦が失敗した時の為の保険なのね。
勝てば官軍? 負けても正規軍? あはは、なかなか面白いのね、王様って立場。
……利用するのに、これほど扱いやすい存在はないわよねぇ?

 
ミツハ
(mi_44)
……セレス。どうして貴女をこの場所に連れて来たか判る?
正と邪を、はっきりさせる為よ。
 
セレス
(se_43)
なるほど。ミツハ達は正義で、チキータ達は邪悪なんだ。
そんなの、どこで見分けるのよ。
 
ミツハ
(mi_45) 
希望を、内に秘めているかどうかよ。   
セレス
(se_44) 
希望……?   
  (場面転換)   
チキータ
(chi_30)

な、何事だ!?

 
兵士
(he_07)

申し上げます! セレス様がこの屋敷を取り囲み、攻撃を仕掛けております!

ホムルス
(ho_22)

馬鹿な! セレスには我々を討つだけの度胸なぞ無いはずだ!   
チキータ
(chi_31)
……聖女ミツハが誑かしたか。 悔しそうに。

ホムルス
(ho_23)

ええい! 迎え撃てっ!

チキータ
(chi_32)
全力で抵抗しろ! 死に物狂いで戦うんだっ!!
  (一生懸命戦っている場面)
  ※ ガヤとかあった方が臨場感出ると思いますが、どうしよう……。
 
ナレーション
(na_10)
チキータ・ホムルス連合軍は抗戦したが、数量で勝るセレス軍の前に敗れ、二人は捕縛された。  
  (場面転換)  
ミツハ
(mi_46)
その方、我がミリディアを帝国に売ろうとした事明々白々よ!  
チキータ
(chi_33)
ミツハ……、これはどういう真似だ? セレス様の旗を掲げる事は、セレス様以外の者は行ってはならぬはずだが?  
ミツハ
(mi_47)
何言ってるの。この旗はセレスから借りてきたのよ。  
チキータ
(chi_34)
貴様はセレス様と仲が良いからな。その様な小細工は造作ないと思ってはいたが……。
あのセレスが、よく許したな。
 
セレス
(se_45)
二人とも……。 歩きながら。
チキータ
(chi_35)
セレス……様……。  

ホムルス
(ho_24)

私じゃありません、セレス様! チキータの奴に誑かされて、私は仕方なく……。  
ランジェ
(ra_07)
ホムルス。宮中において貴方は帝国への降伏を盛んに訴えていたわね。  

ホムルス
(ho_25)

こ、このミリディアもいずれは帝国に陥(お)とされるんだ!
それならば、少しでも早い段階から降伏を申し込んで、身の処し方を考えるのが良いと思ってだな――。

 
トーリア
(to_07)
お前みたいな不埒な奴に、帝国からの知行(ちぎょう)などありはしないぞっ!  

ホムルス
(ho_26)

そ、それは話してみないと判らんだろう!?  
ミツハ
(mi_48)

……最低ね、ホムルス。貴方の希望とやらは、得体も知れない帝国にあるというのね。

 

ホムルス
(ho_27)

あぁ! あそこならばっ! 私を重く使ってもらえる!!  
チキータ
(chi_36)
それは無いな。ワームド帝国は降将には優遇するが、寝返りによって帝国に取り入ったものはことごとく殺されている。  

ホムルス
(ho_28)

そ、そんなぁ……。  
チキータ
(chi_37)
……フン。こうなる事は運命だったのかも知れんな。
ミツハを取り除く事の出来なかった事が、私の敗因だな……。
 
セレス
(se_46)
ならばチキータ、もう一度私の元で……。  
チキータ
(chi_38)
いや、それは出来ません。一度はこの国を見限った男、そのような奴が、汚名を着せられて生きる事など出来ません。
私は、このまま死なせてください。
 
チキータ
(chi_39)

それが、私の希望です。

悟ったように。
ミツハ
(mi_30)
生きるのに、諦めるの?  
チキータ
(chi_40)
……元より、そうだったのかも知れんな。
セレス様。いつぞや、『どうしてノックもせずに入ってくるの?』とお尋ねになった時がありますね。
 
セレス
(se_47)
……えぇ。  
チキータ
(chi_41)
私は、ミツハになりたかったでしょうね。  
セレス
(se_48)
ミツハ……に……?  
チキータ
(chi_42)
貴女の味方に、なりたかったのです。
……しかし、それは敵わぬ事となりました。
私は、最早貴女に絶望してしまった。このミリディアを任せることの出来ない人だ――。
おこがましくも、貴女をそう思ってしまったのですよ。
 
チキータ
(chi_43)
気付いたら、国を売るような真似をしていた。
自分の思い通りにならないからといって、結局は自らの主を殺す事を選んだ。
その程度の男には、死がお似合いですよ
 
ミツハ
(mi_49)
セレス、決断を。  
セレス
(se_49)
……二人とも処断しなさい。  
ミツハ
(mi_50)
えっ――?  
トーリア
(to_08)
はっ!!  

ホムルス
(ho_29)

嫌だっ! 私は死にたくないっ!!  
チキータ
(chi_44)
…………、フッ。  
  (二人を斬首します)  
ミツハ
(mi_51)
……斬った、のね。
貴女、二人を斬ったら私も斬られなきゃならないって言ってたのに?
 
セレス
(se_50)
えぇ、言ったわ。
だけど、彼らには目の輝きが見られなかった。
……とてもそんな目を、私は見られなかったから。
 
セレス
(se_51)
ねぇ、ミツハ。国を売るという行為は、こんな目になっちゃうの?  
ミツハ
(mi_52)
少なからずは、ね。  
セレス
(se_52)
そう……。
それじゃ、今の私の目は、どうかな?
 
ミツハ
(mi_53)
えっ? えーっと……。輝いているよ? 励ますように。
セレス
(se_53)
嘘。そんな目はしていないはずだわ。
とてもとても、怖いの……。
 
ミツハ
(mi_54)
セレス……。  
セレス
(se_54)
これから、国を背負っていくって事は
そういう人達の目を見ながら、背きながら。人の生き死にを決めていかなければならない。
国の行く末を、私が背負っていかなきゃならない。
 
ミツハ
(mi_55)
セレス、大丈夫よ。貴女には私達がいる、決して一人じゃないから。  
セレス
(se_55)
……ミツハ?  
ミツハ
(mi_56)
セレス。そんな不安は、消し飛ばせる。貴女を支えていく、私達がいる。
だから、堂々と構えて。私は、どこまでも貴女の味方だから。
 
セレス
(se_56)
ミツ……ハ……っ!  
  (抱きつき音を入れて、フェイドアウト)  
ナレーション
(na_11)

セレスは帝国賛成派を処断し、二分していた政権内の綻びを立て直すことが出来た。

東には北進を続けるワームド帝国が忍び寄っている。
しかし、セレスには親友であるミツハが戻ってきた。
彼女達二人の力を合わせれば、如何なる困難も乗り越えていけるに違いない――。

 

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