【−ミリディア王国・王女と聖女−:シナリオ/第5話:魂の独立】
キャラ名 | セリフ・効果音など | 状況・セリフの雰囲気など |
ホムルス |
くそっ!ミツハの奴、再びセレスの信頼を取り戻してしまった。 それだけではない。反対派は我等帝国賛成派に睨(にら)みを利かせておる。 |
|
チキータ (chi_27) |
じたばたしても仕方ありません。これだけ睨みを利かされては何も出来なくなります。 ……いっその事、帝国へと逐電致しましょう。 |
|
ホムルス |
この国を捨ててか!? 貴様、正気か!? | |
チキータ (chi_28) |
命あれば挽回は出来ます。しかし、死んでしまってはどうしようもありません。 |
|
ホムルス |
馬鹿な……! この国あっての我々だぞ、ここから離れてしまえば、何の意味も無いではないか! | |
チキータ (chi_29) |
それは貴公の話であろう。土地や権利に執着するだけで、他勢力へと身を寄せる不遇を託(かこ)つ事もしない。 |
|
ホムルス |
あぁ、いや。はははは……。 | |
(場面転換) | ||
トーリア (to_05) |
酷い有様ね。こんな奴らに一時期政治を握られていたと思うと、胸糞悪くなってくるわ。 |
|
セレス (se_33) |
…………っ。 | 躊躇しています。 |
ミツハ (mi_38) |
セレス、絶対に怯んではいけない。一瞬でカタを付けるのよ。 | |
セレス (se_34) |
でも、私にはこの人達を退治する事なんて……。 私は、この人達の主だから。もしも悪い事をやっていたとしても、私はどうなるの? ……私も、倒されるの? |
|
トーリア (to_06) |
馬鹿な事を仰らないで下さい! セレス様はミリディア王国の主ですっ! 国に不利益をもたらす輩を、どうして許す事が出来ましょうか!! |
|
ランジェ (ra_04) |
用いる人が悪かったのではありません。用いるべき駒が悪かっただけのことです。 |
|
セレス |
(私を、『見て』くれないのね。その言葉は私の為じゃなくて、国の為。) |
エコー。 |
ミツハ (mi_39) |
セレス。貴女がここで決断しなければ、私達はここで立ち往生よ。 | |
セレス |
そんなの……、判ってる。 | |
ミツハ (mi_40) |
なら、何で? | |
セレス (se_37) |
わ……、私が命令を下せば良いのね? | |
ミツハ (mi_41) |
ううん、そうじゃない。 | |
セレス (se_38) |
何でよ!私がチキータ・ホムルス討伐を宣言すれば、それで貴女達は満足なんでしょう!? ……それで、良いんでしょう? |
|
ランジェ (ra_05) |
違います! 満足だなんて―― | |
セレス (se_39) |
欺瞞(ぎまん)よ! 私っていう都合の良い存在を使って、貴女達の敵を消そうっていう魂胆でしょう――!? 貴女達の考えなんて、お見通し―― |
|
(平手打ち) | ||
ミツハ (mi_42) |
貴女って人は……っ! そんな風に言うのも良い加減にしてっ!! |
|
セレス (se_40) |
…………。 | |
ミツハ (mi_43) |
……仕方ないわ。セレスの下知は待たない、私達だけで乗り込むわ。 | |
セレス (se_41) |
…………っ! | |
ランジェ (ra_06) |
そんな事してっ! 私達が万が一負けたら、縛り首になるのは私達よ!? | |
セレス (se_42) |
あはは、なんだ。やっぱりそうなんじゃない。 |
|
ミツハ (mi_44) |
……セレス。どうして貴女をこの場所に連れて来たか判る? 正と邪を、はっきりさせる為よ。 |
|
セレス (se_43) |
なるほど。ミツハ達は正義で、チキータ達は邪悪なんだ。 そんなの、どこで見分けるのよ。 |
|
ミツハ (mi_45) |
希望を、内に秘めているかどうかよ。 | |
セレス (se_44) |
希望……? | |
(場面転換) | ||
チキータ (chi_30) |
な、何事だ!? |
|
兵士 (he_07) |
申し上げます! セレス様がこの屋敷を取り囲み、攻撃を仕掛けております! |
|
ホムルス |
馬鹿な! セレスには我々を討つだけの度胸なぞ無いはずだ! | |
チキータ (chi_31) |
……聖女ミツハが誑かしたか。 | 悔しそうに。 |
ホムルス |
ええい! 迎え撃てっ! |
|
チキータ (chi_32) |
全力で抵抗しろ! 死に物狂いで戦うんだっ!! | |
(一生懸命戦っている場面) ※ ガヤとかあった方が臨場感出ると思いますが、どうしよう……。 |
||
ナレーション (na_10) |
チキータ・ホムルス連合軍は抗戦したが、数量で勝るセレス軍の前に敗れ、二人は捕縛された。 | |
(場面転換) | ||
ミツハ (mi_46) |
その方、我がミリディアを帝国に売ろうとした事明々白々よ! | |
チキータ (chi_33) |
ミツハ……、これはどういう真似だ? セレス様の旗を掲げる事は、セレス様以外の者は行ってはならぬはずだが? | |
ミツハ (mi_47) |
何言ってるの。この旗はセレスから借りてきたのよ。 | |
チキータ (chi_34) |
貴様はセレス様と仲が良いからな。その様な小細工は造作ないと思ってはいたが……。 あのセレスが、よく許したな。 |
|
セレス (se_45) |
二人とも……。 | 歩きながら。 |
チキータ (chi_35) |
セレス……様……。 | |
ホムルス |
私じゃありません、セレス様! チキータの奴に誑かされて、私は仕方なく……。 | |
ランジェ (ra_07) |
ホムルス。宮中において貴方は帝国への降伏を盛んに訴えていたわね。 | |
ホムルス |
こ、このミリディアもいずれは帝国に陥(お)とされるんだ! |
|
トーリア (to_07) |
お前みたいな不埒な奴に、帝国からの知行(ちぎょう)などありはしないぞっ! | |
ホムルス |
そ、それは話してみないと判らんだろう!? | |
ミツハ (mi_48) |
……最低ね、ホムルス。貴方の希望とやらは、得体も知れない帝国にあるというのね。 |
|
ホムルス |
あぁ! あそこならばっ! 私を重く使ってもらえる!! | |
チキータ (chi_36) |
それは無いな。ワームド帝国は降将には優遇するが、寝返りによって帝国に取り入ったものはことごとく殺されている。 | |
ホムルス |
そ、そんなぁ……。 | |
チキータ (chi_37) |
……フン。こうなる事は運命だったのかも知れんな。 ミツハを取り除く事の出来なかった事が、私の敗因だな……。 |
|
セレス (se_46) |
ならばチキータ、もう一度私の元で……。 | |
チキータ (chi_38) |
いや、それは出来ません。一度はこの国を見限った男、そのような奴が、汚名を着せられて生きる事など出来ません。 私は、このまま死なせてください。 |
|
チキータ (chi_39) |
それが、私の希望です。 |
悟ったように。 |
ミツハ (mi_30) |
生きるのに、諦めるの? | |
チキータ (chi_40) |
……元より、そうだったのかも知れんな。 セレス様。いつぞや、『どうしてノックもせずに入ってくるの?』とお尋ねになった時がありますね。 |
|
セレス (se_47) |
……えぇ。 | |
チキータ (chi_41) |
私は、ミツハになりたかったでしょうね。 | |
セレス (se_48) |
ミツハ……に……? | |
チキータ (chi_42) |
貴女の味方に、なりたかったのです。 ……しかし、それは敵わぬ事となりました。 私は、最早貴女に絶望してしまった。このミリディアを任せることの出来ない人だ――。 おこがましくも、貴女をそう思ってしまったのですよ。 |
|
チキータ (chi_43) |
気付いたら、国を売るような真似をしていた。 自分の思い通りにならないからといって、結局は自らの主を殺す事を選んだ。 その程度の男には、死がお似合いですよ |
|
ミツハ (mi_49) |
セレス、決断を。 | |
セレス (se_49) |
……二人とも処断しなさい。 | |
ミツハ (mi_50) |
えっ――? | |
トーリア (to_08) |
はっ!! | |
ホムルス |
嫌だっ! 私は死にたくないっ!! | |
チキータ (chi_44) |
…………、フッ。 | |
(二人を斬首します) | ||
ミツハ (mi_51) |
……斬った、のね。 貴女、二人を斬ったら私も斬られなきゃならないって言ってたのに? |
|
セレス (se_50) |
えぇ、言ったわ。 だけど、彼らには目の輝きが見られなかった。 ……とてもそんな目を、私は見られなかったから。 |
|
セレス (se_51) |
ねぇ、ミツハ。国を売るという行為は、こんな目になっちゃうの? | |
ミツハ (mi_52) |
少なからずは、ね。 | |
セレス (se_52) |
そう……。 それじゃ、今の私の目は、どうかな? |
|
ミツハ (mi_53) |
えっ? えーっと……。輝いているよ? | 励ますように。 |
セレス (se_53) |
嘘。そんな目はしていないはずだわ。 とてもとても、怖いの……。 |
|
ミツハ (mi_54) |
セレス……。 | |
セレス (se_54) |
これから、国を背負っていくって事は そういう人達の目を見ながら、背きながら。人の生き死にを決めていかなければならない。 国の行く末を、私が背負っていかなきゃならない。 |
|
ミツハ (mi_55) |
セレス、大丈夫よ。貴女には私達がいる、決して一人じゃないから。 | |
セレス (se_55) |
……ミツハ? | |
ミツハ (mi_56) |
セレス。そんな不安は、消し飛ばせる。貴女を支えていく、私達がいる。 だから、堂々と構えて。私は、どこまでも貴女の味方だから。 |
|
セレス (se_56) |
ミツ……ハ……っ! | |
(抱きつき音を入れて、フェイドアウト) | ||
ナレーション (na_11) |
セレスは帝国賛成派を処断し、二分していた政権内の綻びを立て直すことが出来た。 東には北進を続けるワームド帝国が忍び寄っている。 |