【−ミリディア王国・王女と聖女−:シナリオ/第2話:帝国賛成派暗躍】
キャラ名 | セリフ・効果音など | 状況・セリフの雰囲気など |
ナレーション (na_07) |
王都ミリディアのとある商館。 薄暗い部屋で二人の男が額(ひたい)を寄せ合って、何やら話をしている。 |
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ホムルス (ho_03) |
おおう、来られましたなチキータ殿。 | ホムルスは慇懃無礼な感じで。 |
チキータ (chi_10) |
こんな夜更けに如何様で御座いますかな? | |
ホムルス (ho_04) |
ミリディア王国の先行きについて、軍師たる貴公とお話をして置きたいと思いましてな。 | |
チキータ (chi_11) |
先行き……。ホムルス殿は帝国を諸手(もろて)を上げて迎えたいという立場でございますね。 その話ならば止して下されよ。 |
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ホムルス (ho_05) |
何故で御座いますか。 チキータ殿は我が国を護りたくは無いのですか? |
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チキータ (chi_12) |
馬鹿を言うでない。軍師というのは国を支える者である。 帝国は我々の領土を蹂躙しようとしている。そんな輩に、国を渡す事はあいならん。 |
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ホムルス (ho_06) |
それがですね、違うんですよ。 | |
チキータ (chi_13) |
違う? |
眉を上げるような仕草とか。 |
ホムルス (ho_07) |
はい。この間、従者に頼んでサーヤックへミカンを買いに行かせました。 |
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チキータ (chi_14) |
それは当然だ。略奪ばかりするならば、民意は離れていってしまう。 | |
ホムルス (ho_08) |
チキータ殿、無駄な戦をする必要はありません。 この際、ミリディア王国はワームド帝国に忠誠を誓ってはどうかと―― |
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チキータ (chi_15) |
何を馬鹿な事を! 侵略者に国を売れというのか!? | |
ホムルス (ho_09) |
そうではありません。この国は帝国を受け入れるか受け入れないかで真っ二つに分かれております。 戦は国力を疲弊させ、民は苦しみます。そのような事は誰も喜ばないはずで御座います。 |
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チキータ (chi_16) |
確かにそうだが……。 | |
ホムルス (ho_10) |
正直な話、セレス様にこの危機を乗り切る実力はありますまい。 現に、重忠が殺されてから塞ぎ込んでいる様子……。 |
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ホムルス (ho_11) |
そんな君主とは、私は命を共にする事は出来ませぬ。 | ゆっくりと、ねちっこく。 |
チキータ (chi_17) |
……それは感じていた。今のセレス様では、帝国を打ち破る事は出来ない。 何より、物事に対する決断力が以前に比べて鈍っていらっしゃる。 |
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ホムルス (ho_12) |
ならば簡単で御座います。セレス様をこのミリディアの国王から引きずり落としなされ。 | |
チキータ (chi_18) |
何っ!? そのような事が許されるとでも―― | |
ホムルス (ho_13) |
まぁまぁ、話しは最後まで聞きなさい。引きずり落とすといっても、先程より私が申している帝国への降伏を促すのです。 帝国のアレクルシアは、降った将軍に対しては、とても優遇してくれると聞いております。 帝国に降った所で、我々が殺されるような事はありません |
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チキータ (chi_19) |
確かに、このままいくと我等に勝ち目は無い。 無駄に戦をするよりも、血を流さず明け渡した方が相手への印象も良くなると言うことか。 |
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ホムルス (ho_14) |
そうでございます。 | |
チキータ (chi_20) |
しかし、降伏する為には様々な障害がある。例えば、左遷したとはいえ地方に名を馳せているミツハの存在だ。 彼女を筆頭に、帝国反対派は国内には大きな影響力を持っている。 |
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ホムルス (ho_15) |
セレス様に一番近い貴方だ。帝国に徹底抗戦しようとする奴等を落とす事など、造作も無いことではないですか? | |
チキータ (chi_21) |
それはつまり、私に彼女達を始末しろ、と? | |
ホムルス (ho_16) |
左様でございます。全てはこの国の未来を案じての事ではないのですか? | |
チキータ (chi_22) |
ムムム……。 | |
ホムルス (ho_17) |
貴方はセレスを倒したい。そして私は、この国を帝国へと明け渡したい……。 目的こそ違えど、帝国への降伏を成す事により、その二つはおのずと達成される事でしょう。 |
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チキータ (chi_23) |
……判った。そなたの言葉を信じ、私も決断しよう。 | |
(インターバル) | ||
ナレーション (na_08) |
ミリディアの軍師と官僚が密会……。かの国に、様々な思惑が交錯する――。 |