【−ミリディア王国・王女と聖女−:シナリオ/プロローグ】

キャラ名 セリフ・効果音など 状況・セリフの雰囲気など
ナレーション
(na_01)
新暦364年1月。
スコア大陸北西部・クレフ地方に激震が走った。
落ち着いた雰囲気を醸し出すように。
ナレーション
(na_02)
大陸中央の雄、ワームド帝国がクレフ地方へと進行してきた。
帝国と国境を有するフランク公国は迎撃するが、善戦空しく本拠地サーヤックは陥落する。
公主は処断され、その娘は逃亡した。
 
ナレーション
(na_03)
ワームド帝国の北進に伴い、クレフ地方は混迷を極めた。
アタッカ公国の主、十河(そごう)重忠が配下の熊須克昭によって暗殺。
熊須は公国領地の半分を奪い、独立する。
地方の最大勢力であるトランクイロ王国は熊須の動きを支持するが、
各領主からは非難の声が出る。
 
ナレーション
(na_04)
クレフ地方の秩序を築くため、各々の国は立ち上がる……。  
ナレーション
(na_05)
Ararat −ミリディア王国・王女と聖女−
  (場面転換)  
セレス
(se_01)
神よ……。クレフを天上で統べるノエシス神よ――。 祈りを捧げている感じ。
セレス
(se_02)
ミリディアの東、サーヤックはワームド帝国の支配下に置かれたとか。
そして、懇意にしていたアタッカ公国の長である十河重忠公が殺され、配下が独立した。
不穏な空気が世界を包もうとしている……。
願わくば、我が地に厄災が降りかかりませぬよう……。
呟く感じで。
  (ドアを開ける音)  

チキータ
(chi_01)

祈祷の最中でございましたか。 低めの声で。
セレス
(se_03)
ちっ、チキータ! 祈祷の際は入って来てはならないと言ったでしょう!? 驚いた様子で。
チキータ
(chi_02)
そうではございますが、あまり長い間こもっていらっしゃると『支障』をきたします。  
セレス
(se_04)
……貴方のそういう所、好きになれないわ。  
チキータ
(chi_03)
何とでも仰せなさいませ。  
セレス
(se_05)
……不遜な態度。一体何を企んでいるのかしら…… 独り言のような感じで。
  (場面転換)  
チキータ
(chi_04)
皆様、集まりましたでしょうか。  
トーリア
(to_01)
突然の召集、如何様でございましょう、チキータ殿。  
チキータ
(chi_05)
現在、我が国が置かれている状況はご存知でございますな?  
ランジェ
(ra_01)
ええ……。東のサーヤックにワームド帝国の兵が駐屯しているのでしょう?  
トーリア
(to_02)
それに、アタッカ公国から独立した熊須の動きも気に掛かるところです。  
チキータ
(chi_06)
そうでございます。
……ただ、我がミリディア王国はアタッカ公国から援軍を頼まれたにも関わらず、
救援の兵を途中で引き返した。
それが故に、熊須に独立を許した。
 
チキータ
(chi_07)

敵前逃亡をなされた方は、何処の誰だとは申しませんが……。

少し厭味を込めて。
トーリア
(to_03)
貴様っ! それは誤解であるっ!! ミツハ様は敵前逃亡などなされないお方だっ!  
チキータ
(chi_08)
しかし、熊須へ兵を向かわせている最中、ミツハ殿は急遽ミリディアへと踵を返した。
しかも大半の兵を裂いて――ですよ?

かのお方が何を考えていらっしゃるのかは明々白々ではございませんか?
 
ランジェ
(ra_02)
しかし、あれは――!  
セレス
(se_06)
ランジェ、止めて。ミツハ左遷は、私が決めた事だから。  
ランジェ
(ra_03)
セレス様……。  
ホムルス
(ho_01)
セレス様。我々ではワームド帝国の進撃を食い止める事など出来ませぬ。
ここは一つ、降伏なさった方が懸命ではありませぬか?
 
トーリア
(to_04)
馬鹿を言うな、ホムルス!
我がミリディアの築いてきた歴史を、我等の代で潰すつもりか!?
激昂して。
ホムルス
(ho_02)
そ、そうではありませんが……。 少しオドオドした感じで。
チキータ
(chi_09)
お二方、静粛に。確かに我が国を取り巻く状況は厳しいものがあります。
これからどういう手を打っていくかを――
 
  (少し間を空けて――)  
セレス
(se_07)

ミツハ……

モノローグ調に。
ミツハ
(mi_01)
私は、自身の利害の為に重忠公を殺害した熊須のやり方には納得がいきません。
『クレフの聖女』として、彼に天誅を下して参ります。
エコーかける事が出来るのなら。
セレス
(se_08)
そう言ったの、貴女じゃないの……
何を……、考えているの、ミツハ?
私は貴女にまで裏切られたような気がして……
モノローグ調に。
  (おもむろにペンダントを取ります)  
セレス
(se_08a)
これ……。ミツハからもらったペンダント……。  
   - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  
  (ここから回想に入ります。セレス・ミツハの幼少期のお話)  

ミツハ
(mi_01a)

セレス! セレスってばーっ! 幼い感じを出してください。
10歳くらいで。
セレス
(se_08b)
どうしたの、ミツハ? 幼い感じを。10歳くらいで。
ミツハ
(mi_01b)
あのねー、あのねーっ?  
セレス
(se_08c)
んもうっ! 何なのっ?  
ミツハ
(mi_01c)
ジャーン! ペンダントなのーっ!  
セレス
(se_08d)
わーっ! すごいねー!
これ、どうしたの?
 
ミツハ
(mi_01d)
うん、セレスにあげようと思って!  
セレス
(se_08e)
わ、私に?  
ミツハ
(mi_01e)
セレス、王様になってからずーっと頑張ってるから、ごほうびだよっ。  
セレス
(se_08f)
わーっ、ありがとう! うれしいなー。 ペンダントを受け取りながら。
ミツハ
(mi_01f)
……それとね、セレス。
ひとつ、言わなきゃいけない事があるんだ。
 
セレス
(se_08g)
え? なぁに?  
ミツハ
(mi_01g)
私、決めたんだ。ずっと、ずーっと、このミリディア王国を護るって。
そして、お友達のセレスを、どんな事があっても絶対に護るんだって。
 
セレス
(se_08h)
……ミツハ。  
ミツハ
(mi_01h)
だからね、安心して。私が、ずーっと付いているから!
どんなことがあっても、セレスの為なら頑張っちゃうから!
 
   - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  
セレス
(se_08i)
……その約束、忘れていないよね?
どんな事があっても、私を護ってくれるって、言ってくれたよね、セレス……。
 
セレス
(se_09)
ねぇ……、答えて…… 悲痛な声で。
  (場面転換)  
ミツハ
(mi_02)
ズーク、都市の開発は順調かしら?  
ズーク
(zu_01)
みっ、ミツハ様っ! え、えーっと! 今からやろうとしてたとこですよ!
でも、都市の開発なんて、なかなかどうやってやるのか判らなくて……。
 
ミツハ
(mi_03)
そういう時は聞きなさいって言ったでしょう?
はぁ……。良いわ、私がやるから、貴方は兵士の訓練に携わりなさい。
 
ズーク
(zu_02)
ご、ゴメンなさいっ!  
ミツハ
(mi_04)
セレス……。私の行った事は許されざる行為なのかもしれない。
ただ、貴女を守りたかった。
騙すつもりは無かったけれども、これが私達のミリディア王国を救う方法だったの……。
 
ミツハ
(mi_05)
いつか、話しに行かなきゃ……。  
ナレーション
(na_06)

最年少で国の王となった、ミリディア王国の国主セレス。
幼くして『クレフの聖女』と謳われたミツハ。
二人の間には、揺るがぬ信頼が築かれていたはずだった。
戦乱は、彼女達をも引き裂く。

 
ナレーション
(na_07)
友を遠ざけた若き王女の頭上に輝くのは、
斜陽の紅(くれない)か、暁鐘(ぎょうしょう)の陽光か。
 

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